KORG KRONOS X の SSD換装について

ネット上の先人たちのおかげでKORG KRONOS XのSSDを換装することに成功しました。

同じようなことをしようとする方が居るかも知れないのでここにまとめておきます。

必要なもの(想定環境)
  • SATA SSDが2台同時(できればUSBメモリも)接続できるWIndows(64ビット)環境
    • 筆者はUSBポートが1つしかないSurface Pro 4というタブレットPCで実施したため3ポートのバスパワーUSBハブ+SATA→USB変換ケーブルx2で行いました。デスクトップPCでSATAスロットに空きがあればSATAケーブルと電源ケーブルを用意して接続してください。
    • Linux環境をお持ちの方はもう少し簡単になると思うので読み替えてください
  • 換装用2.5インチSATA SSD(+取り付けネジ)
    • 認識できる上限がどれくらいまでなのかわからないのですが筆者は240Gで実施しました。ネット上にはOS ver 3以上だと300G以上とか500G以上という情報がありますがはっきりしたソースが見つかりませんでした。
  • 500MB以上のUSBフラッシュメモリ
    • できれば2つあるとやり直しできてよいです
  • M3(3mm)の精密ドライバー
    • SSDマウンタ用
  • 裏蓋ネジに合うドライバー(できれば電動)
    • 数が多く全て手だと疲れるので電動があったほうが楽です
事前準備
  • 下記フリーソフトをダウンロードしておきます。また下記手順を先に読んでUSBメモリにISO書き込みまで済ませておくと早いです。
    • Rufus
    • Clonezilla Download - stableでISOイメージをダウンロード
    • GParted Download - amd64のISOイメージをダウンロード
  • PCをUSBフラッシュメモリから起動可能な状態にしておく

    こちらは自分のPCに合わせて設定してください。筆者の場合は

    • セキュアブートの無効化
    • 起動順序でUSBを上位に 
  • という操作が必要でした
  • 利用したソフトの詳細・使い方についてはネット上で他の方が有用な記事をあげていらっしゃいますので詳しくはそちらを参照してください。自分も検索だよりで詳細を完全理解している訳ではないのこの記事で手順に留めます。
  • バラした時の雰囲気はYouTubeにアップロードされてる方が何名かいらっしゃいますので「KRONOS SSD」で検索してみてください
手順1:裏蓋を外す
  • 本体をひっくり返してゴム足以外のネジを全て外します。ワッシャーがあるタイプとないタイプの2種類あるので印をつけておくか写真に撮っておくと良いと思います
手順2:SSDを外す
  • 中央部分にSSDが固定されているので外します
手順3:Clonezillaを使ってSSDの複製を行う
  • Rufusを起動してダウンロードしたClonezilla ISOイメージをUSBメモリに書き込みます。
  • Windows8以降搭載のPCであればGPT・UEFIで良いと思います
  • 書き込み時はDDモードで実施します(Windows版のRufusはISOモードに不具合があるそうです)
  • SSD、新SSD、Clonezillaを書き込んだUSBメモリ、を挿したままPCを再起動してClonezillaを起動。Large Fontを選択、日本語、キーボード変更なし、Clonezillaの起動を選択
  • 「ディスク/パーティションからディスク/パーティション」「初心者モード」「ディスク→ローカルディスク」を選択
  • SSDと新SSDを選択。※間違え易い上に間違えたら終わりなので慎重に
    • メーカー名を参考にする
  • ディスク修復自動(fsck -y)を選択 ※これをしないと処理中にアンマウント失敗のエラーとなりうまくいかなかった(シンセだから気軽に電源入れたり消したりして破損するのかもしれません)
  • 念押しが2回来るのでyを選択。この時処理が終わった後どうするか聞かれるので選択する

 

  • コメントで、Clonezillaでうまくいかない場合「Macrium Reflect」で”フォレンジックセクタコピーを実行する”オプション有効でうまくいったとの共有がありましたのでここに追記しておきます
手順4:GPartedを使ってディスクの論理領域を拡張
  • Clonezillaはパーティションサイズごと複製するので元の60G分がコピーされ残りは未使用の状態となっていますのでこれを利用可能にします
  • Rufusを起動してダウンロードしたGparted ISOイメージをUSBメモリに書き込みます(Clonezillaと同様)
  • SSDと書き込んだUSBメモリを挿したまま起動してGPartedを起動します。日本語選択
  • 画面右上のディスク選択で新SSDを選択
  • korg/rw」の上位階層の拡張を行います。前方0、後方に最大値
  • korg/rw」の拡張を行います。操作は上記同様
  • 当初Ubuntu Desktopのツールでやってみたのですがディスクを破損してしまいうまくいきませんでした
手順4:動作確認
  • ネジでの取り付け前にケーブルだけ接続して起動してみます。ここでうまくいかなかったら手順3からやり直てください
手順5:取り付け。完了!
  • SSDの取り付け(位置的に作業しづらいので根気がいります)と裏蓋の取り付けを行います
SSDの増設について
  • こちらは換装に比べるとずっと簡単で、60cmくらいのSATAケーブル(ディスク側L字型が良い)を用意して空きコネクタに接続するだけで完了です(電源は既に二股ケーブルが来ていますの)。接続後Diskモードでフォーマットすれば使えます。以前は公式で有償増設サービスをやっていたので想定内の利用方法です
  • ネジがない場合は元々ついてるやつを対角で使えば2本づつで十分だと思います
  • でもDiskモードでの切り替えが面倒なため換装に踏み切りました
DVDによるリストアについて
  • 筆者は付属なし中古で入手したため検証できていないのですが、起動についてはかなりDVDドライブを選ぶようです。またUSB起動できない場合、5Vで起動するノートPC用スリムドライブをSATA -Slimline SATAで接続して起動できた例があるようです(電源から直接5Vを引いているためSATA電源ケーブルではなく変換が必要)
  • KORGからダウンロードできるISOイメージはブートセクタ情報が見当たらないため起動できない疑いを持っています(内容ファイル一式を入れただけ)。mkisofsでブートセクタを追加して焼いたDVDやsyslinux.cfgを追加したUSBを使うとインストーラ起動まではするのでがinstall medium mount errorとなってしまい止まってしまいました
  • インストーラVer2で認識できる容量は60Gまでだそうです
EXsのオーソリゼーションがリセットされてしまう件
  • 今回中を除いてみる直接のきっかけは「オーソリゼーションコードを入力して[Authorization saved to disk]と表示されても電源を入れ直すと元に戻ってしまう」という症状が出たためリストアを試みる、というものでした。上記の通りリストアが起動できないためどうにかできないか探っていたのですがSSD内部の「/korg/rw/Startup/AuthorizationStrings」というファイルを削除したところ認証がリセットされ以降正しく動作しているように見えます。全く無保証ですが同じ症状の方はトライしてみるのもアリだと思います*1*2*3
電池の交換
参考リンク ※今回に直接関係ないものも含む
    • フランス語サイトですが情報集約度では一番かも。メニューのSons et Outils → Banques gratuitesで沢山のフリー素材へのリンクがあります

 

  • PCG Tools | Kronoshaven.com
    • KRONOSで不満なのがプログラムのソートができないのとコンビでの参照関係が分かりにくいこと。PCGファイルの編集ができるツールを配布しておられます。純正PCプラグインはSysExコントロールのせいか激遅で使い物にならないのでWindowsPCをお持ちの方は必携です

最後に

  • 無保証になっちゃいますが修理に出すのも大変なので購入直後にバックアップとっておくのもアリなんじゃないかなあと思います。中身PCなんで壊れる前提で。
  • 初代/2/Plarinu/LE/SE/Nautiliusお持ちの方や訂正などありましたらお寄せいただけると助かります。せっかくライセンス3台登録できるようになったので買い替えできますし。

*1:rwはRead/Writeの略と思われる。/roも存在する

*2:AuthorizationStringsBackupというのもあったのでそれも消した

*3:この症状になったのは公式インストーラを改造した海外デベロッパー製品をインストールしてから。AuthorizationStringsには何度も入力を繰り返した痕跡が残っていた